声優の固定オタクについておもうこと

最近、初めてその時の自分が1番に応援している人、じゃない人にファンレターを書きました。二次元の本命にドラマCDで声を当ててくれた人で、期間で言ったら推しに出会う前から気にかけていて、露出が少しずつ増えてきて声を聞ける機会が増えて、その中で一度改めて応援と感謝を伝えたいな、と思って筆をとりました。

 

そこで私は彼に「私の大好きな人に素敵な声を与えてくださってありがとうございます」「あなたの声でもっと〇〇くんのことが好きになりました」というようなことを書きました(誇張じゃないです、イメージ通り以上で本当に本当に素晴らしかった)

 

で、書けて満足したんですけど、一方で、私は一生推しくんにこの言葉をかけてあげられないだろうなあと思って、悲しくなりました。

 

私は推しくんの声もお芝居も歌も大好きだし、いいと思ったらめちゃめちゃに褒めるけど、それってあくまで推しくんのオタクとしての言葉でしかなくて。私は常に推しくんの声を、芝居を、推しくんの作った作品として、プロである推しくんのお仕事としてしか見ることができない。私は推しくんのことが元々好きで知っていて、推しくんの仕事だっていうフィルターを挟まないと推しくんの作るものを見ることができないんですよね。あなたが好きだったから〇〇を見て、〇〇でのあなたはこういう風に素晴らしかったです、っていう論法しか使えない。

 

役者さん(それも声優さん)が嬉しい言葉って、演じてるのが誰なのかって意識したわけじゃない作品やキャラクターのファンからの言葉なんだろうなって、思ってる節があって。推しくんのことを見ようとして褒めようとして追いかけ回してるファンよりたまたまぶつかって感銘を受けた人の言葉が大きいだろうなって(後者の方が得難いから、というのももちろんあると思います)

 

もちろんいつも応援してくれてありがとうって言葉を疑うわけじゃないけど。いうていわゆる固定オタクって必要なのかなーーめんどくさいだけじゃない?って思っちゃう。雑誌アンケにめっちゃ名前書いたり、事務所や関係者にオタクいますアピしたりはできるけど、出演作にお金積んでも推しに落ちるわけじゃないし、現場の席が埋まったところで本職それじゃないしそれより在宅のDDが増えた方がお仕事の性質上いいのでは?と思うし、結局事務所がどれだけ仕事を回してくれるか、本人がどれだけ役をとれるかで、そもそも(推しくんはそうとは言えないから本当にそもそも論だけど)露出ありきの職種じゃないんだから固定オタクなんていなくてもいくらでも安定してお仕事できると思う。作品を良くする歯車として業界に求められるようになれたらオタクいなくても勝ちだよねって。

 

推しに金を落とすことに比較的意味がない、もしくは難しい界隈だなーと思います。声優。変わってきてると思うけどね。俳優とかアイドルのノリで推しに直結するお金を投げるのが難しい(俳優もアイドルも推したことないから誤解があったらごめん……)。だとしたらいったい我々の存在意義とは、お金払ってもうまくいかないしお仕事に対して新鮮な感動じゃなくてストーカーの観察日記みたいな感想しか言えないし(書いてて気づいたけどこれ私の個人的な性質に問題があるのか???)色々切り詰めながら頑張ってる割に還元されねえなって、なる。

 

もちろん前提として好きだからお金を払ってるし追いかけてるし納得できる形でできる範囲のしたい範囲の無理をしているからいいんだけどね!!全然!!

 

推しキャラの声を当ててた人を推し始めたってパターンじゃないし、推しが声を当てたキャラのことも作品のことも、推しの仕事の一部として捉える視線を完全に無くして見てあげることはもうできないから、1番好きで応援している人に、1番あげたい言葉をあげられないジレンマをずっと抱えながら推し続けるんだろうなーと思います。

 

それでもやっぱり好きなので。私は言えないけど、推しくんが1人でも多くの人に「私の大切な人の声があなたでよかった」って、「〇〇で聴いたあなたの演技が素晴らしかった」って言ってもらえるような役者さんになれるように願いながら、人目に触れるための、業界での人脈を増やすための、きっかけになるお仕事を掴めるよう、事務所と関係各位へのアピールを続けていきたいなと思います。

 

そして願わくは、推しくんのお仕事の定点観測を続けている「推しくんのファン」である人達の声に、あなた自身が好きでその時点では絶対的な味方である人達の存在に、たまに、疲れちゃった時とかに、支えられてくれたらいいなと思う。人間だから、つい心が揺れてそういう肯定がほしくなっちゃった時だけでいいから、思い出してくれたらいいな。

 

 繰り返すけど、いつも応援してくれてありがとうって言葉を疑いたいわけじゃないし、慎重になりすぎかなとも思う。ただ、これくらい自戒しながらおたくをしていたいなという話です。役立たずかもしれないけど大好きだよ!!